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いま、マッチングアプリにできること。

COVID-19による緊急事態宣言

2020年4月8日、緊急事態宣言が発令された。

これを受けて僕らのクライアントである人気飲食店の多くも「臨時休業」を決め、その報告が社長である僕のもとへ届けられた。

僕らは「Dine」というレストランデートをマッチングするアプリを運営している。恋人がほしいと思っている男女が、気になる異性(時に同性のこともある)を探し出し、食事にお誘いすることのできるサービスだ。

少し前までは「出会い系」と呼ばれていたこの業界も、最近では僕らのような新しいサービスが複数誕生し大きく変化した。今では結婚する男女の10%近くが「マッチングアプリ」を通じて出会っている。数年以内には職場恋愛や友人の紹介を抜き、最も多くのカップルを創出するようになるだろう。

しかし、今回のCOVID-19によって、状況は一変した。

人々は自宅に籠り、同居している家族以外との接触を極力避けるようになった。そのため、1人暮らしをしている多くの独身者にとって、これまでのようにプライベートで誰かと話す機会がほぼ無くなってしまった。

今回の緊急事態宣言は「およそ1ヶ月間」とされているが、ワクチンの開発に成功するか、集団免疫を獲得するか、感染者が世界中で0になるしか完全な解決策が無い現状を考えると、数ヶ月から1年以上同じ状況が続くことも念頭に置かなければならない。

僕は「人と人の出会いこそが、人生にポジティブな科学反応を起こす最大の起爆剤である」と考えて、この会社を起業した。もしこのCOVID-19によって、人と人の新しい出会いが限りなく0になってしまったら、世の中はとてもつまらない世界になってしまうだろう。短期的に考えても、家にいるだけで誰とも話せない人の精神的ダメージは計り知れない。

だからこそ、いま、僕ら「マッチングアプリ」が社会のためにできることは、この化学反応を止めないことだ。たとえ家の外に出られなかったとしても、人と人との出会いが生まれる方法を作る。それが僕らの役割だと考えている。

OnlineDine_レストラン画像

オンラインレストランの開業

この記事を公開した、本日。僕らは1つのお店をオープンした。

お店と言っても、実際の店舗があるわけでもなく、料理が出てくるわけでもない。このお店の所在地はインターネット空間の中。フードもドリンクもBYO(Bring Your Own)、持ち込み制だ。

このレストランが提供する唯一の価値は、離れた場所にいる2人をつなぐこと。スマートフォンのビデオカメラ機能を使い、お互いが同じ空間にいるかのようにデートが楽しめることを目指している。

来店方法は簡単だ。Dineの中でマッチした相手と、このレストランを予約する。予約時間になったら、アプリ内にお店の入り口が現れるので、あとは2人揃って入店してもらうだけだ。この時に食べ物やお酒を自分で買って用意しておくのも忘れてはいけない。

オンラインデートまでの流れ (1)

メニューは「2人への質問!?

オンラインレストランでは、フードやドリンクの代わりに「恋する10個の質問」をオーダーできる。このメニューを注文すると、「シェフの気まぐれコース」として、会話に使える複数の質問が運ばれてくるという具合だ。

この質問のフルコースは「出身地はどこ?」や「好きな食べ物は?」といったベーシックな前菜から始まり、後半になるにつれ、お相手の内面を知れるメインディッシュが提供される設計となっている。もちろん真面目な質問ばかりだと面接のようになってしまうので、途中にはお口直しとして「最近気になる家電は?」のような少し変化のある味も楽しんでもらえるようになっている。

オンラインデートの場合、相手と直接会えないため五感から得られる情報はどうしても少なくなってしまう。しかし、その分オフラインデートでは知り得なかった相手の内面を深く知ることで、より相手に対し興味を持つキッカケ作りのお手伝いができればと考えている。

オンラインデートのメリット

ここまで読んでも、まだオンラインデートに対してピンと来ない人もいるかもしれない。でも、それは当然だ。これまで人類が体験したことのない全く新しいシステムだからだ。

ただ、冷静に考えてみると、オンラインデートのメリットは意外と多い。

・家から移動せずに気軽にできる
・当日の約束も比較的容易
・もし気が合わない場合でも短時間で終了できる
・缶ビール代しかコストがかからない
・容姿に自信がない人でも、まず内面から知ってもらいやすい
・上半身だけオシャレすれば良い
・一夜限りの関係だけを望んでいる人を排除しやすい
・危険性が少ない
・実際に会う時の親密度が高くなる

コロナ以降に「テレワーク」や「ZOOM飲み会」が急速に受け入れられている現状を見ると、未来の初デートはオンラインが普通になるかもしれない。

僕はあくまでも「直接会う」ことの重要性を強く説いている信仰者ではあるが、その僕でさえも「オンラインデートのほうが良いかも」となるまでプロダクトを磨いていけたらなと思っている。

2020年、突如として時代は変わった。

しかし、かつてのパンデミックでもそうであったように、人類は危機に直面することで進化できる生物だ。

「Withコロナ」「Afterコロナ」の世界に最適な「出会い」はどんな方法か?

今は誰もその答えを持ってはいないが、一起業家としてその答えを見つけていきたいと思っている。

僕らの使命は、この後の世界でも「人と人との出会いによる化学反応」を起こし続け、もっともっと楽しい世の中を作っていくこと。今どき中学生2年生でも言わないかもしれない、そんな夢みたいな夢を抱いて、このジェットコースターのような毎日をサバイブしていこうと思う。

あ”ーーー大変だ。

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