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男女のクレカ番号を取得したら、Dineデートのドタキャンがほぼ消滅した件

心底困り果てていた。

僕らの運営するデーティングアプリ「Dine」は、気になる人とのレストランデートをマッチングし、お店の予約までしてくれる優れモノなのだが、ひとつだけ解決しなければいけない問題があった。

それがデート直前の予約キャンセルだ。

通常のレストラン予約とは違い、Dineの予約はまだ会ったことない人同士の食事である。当然相手に対する責任感も薄くなり、片一方の「今日はなんかダルいな」程度の気持ちで簡単にキャンセルが発生してしまう状況だった。

相手へのキャンセル理由でよく使われるのが、

A. 体調を崩してしまった
B. 仕事が終わらない
C. 会食の予定が入ってしまった
D. 急遽出張に行くことになってしまった
E. 家族が病気になった

などだ。

もちろん中には事実もあるであろう。しかし、直前になってキャンセルされたデート相手や、席を確保していたお店にとってはたまったもんじゃない。

その日のために準備をしていたにも関わらず、いきなり予定が無くなってしまうのだ。

ドタキャン問題は米国やカナダでは特に発生していないのだが、日本版をリリースしてから顕著になってきた。日本人の悪しき特徴なのだろうか。僕らはこの1年間、これを解決するために様々な施策を実行してきた。

そもそもDineが日本でレストランの代行予約を始めたのも、どれほどのドタキャンが発生しているのか、数値で知る必要があると考えたからだ。

代行予約は、双方の意思確認があって初めて予約が開始されるシステムにした。確認時には、お互いの名前と電話番号を入力する必要がある。

またデータ分析結果、予約からデートまでの期間が長ければ長いほどキャンセル率が高くなることが判明したため、予約は基本的に14日間以内のものを取るように仕様変更を行った。

それでもドタキャンが発生してしまった場合には、1回で「警告処分」。2回行った場合はDineから「強制退会処分」とする強行策にも打って出た。

このような数々の施策のおかげで、憎きドタキャンは徐々に減ってきた。しかし、抜本的解決にはまだ改善の余地があった。そこで僕らは海外事例の調査や飲食店へのヒアリングなどを行い、昨年12月に「Dineプロテクト」という飲食店向けの新機能を発表した。

これはレストラン予約時に男女双方にクレジットカード情報を入力してもらうシステムである。この機能を利用しているお店は、万が一ドタキャンが発生した場合に、キャンセルポリシーに基づき双方からキャンセル料を徴収できるという仕組みだ。

ただし、正直に言って、日本の飲食店はキャンセル料を取ることにを躊躇しがちだ。僕が掲載店のオーナーに、このアイデアを披露しに行った時も「日本でクレジットカード必須にしちゃうと、お客さんが来なくなっちゃわない?」と不安がる声がほとんどだった。

でも僕には自信があった。なぜならドタキャンが減ることは、飲食店のみならず、Dineユーザにとっても大きなメリットがあるからだ。

結果はご覧の通りだ。これはある掲載店のDineプロテクト導入前と導入後の月間データなのだが、圧倒的にドタキャン率が下がっている。しかも予約数自体も減るどころか増えている。

ドタキャン = 当日/前日のキャンセル、またはノウショウ(無断欠席)

2019年2月から本格稼働したDineプロテクトは、3月時点で20店舗弱(東京)に導入されている。

以前は、デート当日に男性だけが来店し女性がお店に現れないといった事態が発生した時も、店舗と男性が泣き寝入りするしかなかったが、導入店舗では来店しなかった女性からキャンセル料を全額徴収できるようになった。というか、そもそも片方だけ来店する事態がほぼ発生しなくなった。

今後新規に掲載開始する店舗は、全てDineプロテクト対応にしていくつもりだ。

知らない人同士がアプリを通じて食事に行くいうという特異な機会を作るサービスだからこそ、予想もしていなかったような問題が発生する。しかし、ひとりでも多くの人の人生に良いキッカケを作れるよう、起こりうる問題に正面から対峙し解決していきたいと思っている。

目指すは「世界で一番ファーストデートの機会を作る」サービスだ。

Dineのダウンロードはこちらから

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